1. Webサイトを取り巻くルールと技術が大きく変化

インターネットの技術や法律はここ数年で大きく進化し、ホームページが守るべき基準も増え続けています。

● Cookie同意バナーの義務化・強化

個人情報保護の観点から、ユーザーがどのデータを許可するか明示する必要があります。欧州だけでなく、日本企業も対応が求められる流れが進んでいます。

● ウェブアクセシビリティへの対応が必須に

高齢者や障がいのある方を含め、誰もが利用できるWebサイト設計が求められています。自治体や教育機関だけでなく、一般企業にも浸透しつつあります。

● セキュリティのアップデートが頻繁に必要

SSL証明書、フォームのスパム対策、CMSやサーバの脆弱性対応など、サイトを守るためのメンテナンスが増加しています。

● ブラウザ仕様の変更

Chrome や Safari のアップデートがサイトの表示や動作に影響することも増えており、継続したチェックが欠かせません。

2. “作ったまま放置”が招く問題

● 法令違反のリスク

Cookieやアクセシビリティ基準に対応していないと、知らない間にグレーな運用をしてしまう可能性があります。

● 見えないところで信用を失う

スマホ表示が崩れている、フォームが届かない、セキュリティ警告が表示される…。小さな不具合が積み重なると大きな機会損失につながります。

● 技術の変化に追いつけず突然トラブルに

CMSのアップデート放置である日サイトが動かなくなる、というケースは実際によく起きています。

3. なぜ “無料対応” や “激安制作” が危険なのか

市場には「無料で設置します」「低価格で全部対応します」というサービスも多く存在します。しかし、必要な基準を満たさず最低限の対応だけ行うケースが少なくありません。

• Cookie同意バナーが実は法的に不十分
• アクセシビリティ基準に未対応
• セキュリティ対策がほぼされていない
• 保守されておらず、後々高額な修正費用に

結果的に「安いから選んだのに高くついた」という事態が多発しています。

4. これからのホームページに必要なのは“作ること”より“守ること”

現代のWeb運用で重要なのは、作ってからの維持・管理・改善です。

必要なメンテナンスの例

• Cookie同意管理ツールの更新
• アクセシビリティ基準の見直し
• スパム対策・フォーム保護
• CMS・サーバのアップデート
• デザインやUIの継続的な改善

これらは専門知識が必要であり、正しく運用するには適切なサービスやツールを利用することが不可欠です。

5. Webのプロが“簡単に答えられない”理由

よく「ちょっと操作方法を教えてほしい」「サーバーについて少し聞きたい」といったご相談をいただきます。

しかし、Webサイトの仕組みやサーバーの設定は高度に専門化しており、誰でも即答できるものではありません。

● なぜ簡単に答えられないのか

• サイトの構造や利用している技術によって回答が変わる
• セキュリティに関わる内容は慎重な確認が必要
• サーバやCMSの設定は“状況を見て判断”する必要がある
• 間違った回答はサイト全体に影響を与える可能性がある

これは、例えるなら法律相談を弁護士に行うのと同じです。
弁護士が「ちょっと聞くだけだから無料で」という相談に対応できないのと同様に、 Webに関する専門的な相談も、調査や検証が必要であるため本来は有償であるべき内容です。

適切に調査し、確実な回答を行うためには時間と専門知識が必要となるため、 Webサイト運用のサポートには費用が発生するのが当然の流れになっています。

6. まとめ：ホームページは“作ればOK”の時代ではありません

ホームページは企業の「デジタル店舗」。建てた瞬間がゴールではなく、そこからがスタートです。

技術も法律もユーザーの環境も常に変化している現在、適切なメンテナンスを行うことが信頼を守り、ビジネスの機会損失を防ぐことにつながります。

「手軽・簡単に何でもできる」というイメージから脱却し、正しいWeb運用の価値を理解することが、企業にとって重要な姿勢となっています。